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クッキングパパ(1-109巻 続巻)

クッキングパパ(1-109巻 続巻)

基本的には一話完結型(たまにシリーズがある)でそこには料理漫画に多々ある料理勝負などはなく(例外は2度あり、一味の出身大学の学園祭で模擬店のメニューで売り上げを争う、一味と長男・まことがタコ料理で対決があるが、明確な勝負はつけていない)、暖かい絆で結ばれた家族、家庭的な企業における人間の暖かさ、結婚や出産や子供の成長といったほのぼのとした内容や感動的な人情話が中心となりそこに家庭人としても企業人としても慕われている主人公、また料理に知恵を絞る各キャラクターが腕を振るう料理が華を添えるという展開をとっている。


作品の主たる舞台は博多(福岡県福岡市)である。博多は実在の地名であるが、地区名である「香椎(福岡市東区)」「箱崎(同)」「大名(福岡市中央区)」をそれぞれ「花椎」「函崎」「大妙」とするなど地名を意図的に変更している場合もある。また物語の1コマ目には風景が描かれることが多いが、たとえその風景が本来「博多」とは呼べない地域(那珂川より西に当たる天神や百道など[2])であっても福岡市内の風景ならば「博多」で統一されている。福岡周辺の鉄道・道路・施設・飲食店などは細かく描写されており、このことが福岡に住む人から支持されるゆえんである。また、妻・虹子の勤務先が「ニチフク新聞」となっていたり(1992年に休刊したフクニチ新聞がモデル)、キャラクターが福岡ダイエーホークス・福岡ソフトバンクホークスの帽子をかぶっているなど一部に福岡ローカルを意味する点を織り交ぜている。博多以外には、長男・まことが現在暮らす沖縄本島や一味の元部下の一人である工藤や妹夫婦である根子田一家などが暮らす東京都が舞台になる話もあるほか、各キャラクターが出張や旅行で訪れるという設定で国内外の食材・名物料理を取り上げることも少なくない。


料理漫画には珍しく一話毎にその話のキーとなる料理の詳細なレシピが絵入りで紹介されており、料理レシピ集としても高い価値を持つ作品である。漫画に載っているレシピのページをまとめた料理本も複数存在する(『クッキングパパのクッキングブック』など)。また福岡周辺はじめ全国各地(キャラクターが出張や引越しなどで出かける話になる)に実在する飲食店、商業施設、観光施設、豊かな自然、特有の文化、祭り、行事などが紹介されたり九州を中心として郷土料理が紹介されることもあり、九州はじめ各地の食についてのガイドにもなるものである。料理・食材は高級なものも安いものも紹介される。一回だけあるレシピの材料の分量を間違えたことがある。


『美味しんぼ』などのように政治的主張や感情的な表現はない。食品にしても、基本的に特定のものを挙げて批判するなどはほぼない。料理も誰のものであっても批判することはなく、褒めて終わる例が殆どである。


これらの点により料理漫画でありながら人間関係やキャラクターの性格といった個性、福岡ローカルであることで地域密着という別の意味である特徴を重要視する漫画となっている。


単行本4巻分で四季を一巡りするペースであるが実際は現実の半分くらいのスピードで物語は進んでおり、子供たちの成長もおおむねそのペースである。まことたちの中学校生活が3年以上にわたったこともある。


料理勝負などがないことに加え、どの登場人物もスポーツなどの勝負事で「勝ってヒーローになる」ことがほとんどない。どの登場人物も失敗をすることがある。主役の一味ですら色々な意味で失敗することがある。基本的にキャラクターはすべて存在意義をきちんと示すことにする主義のようで悪役や損な役、逆に成功し続けたり有利になり続ける例はない。


初期は一味が会社内では料理をすることを隠しておく、妻・虹子が不器用でちゃらんぽらんであるなど男性が料理・家事をすることへの恥ずかしさをイメージする路線だったが次第に男女各キャラクターとも料理に親しむようになった。長男・まことは一味と同じく器用である。一味が会社で料理を好むことがばれることが路線転換になり、料理に親しむことの重要性を意味することが大きくなった。


また、1980年代後半のバブル真っ只中のサラリーマンの生活が詳細に描写されている点もこの頃の作品の特徴である。会社が毎晩のように残業し、あるいは飲み会をしたり高級料理を食べ、一味が先頭に立ち猛烈に仕事をしていくシーンがあるなどかなりの勢いがある社会になっている。しかしその後の不況時はキャラクターが不機嫌で安い食材をテーマとしたものもある。


韓国でも(パパは料理人)というタイトルで出版されている。登場人物のうち一味が「イルミ」、まことが「ソンイ」(おそらく、誠の韓国語読みと語気を整える"イ")、みゆきが「ミソル」(おそらく、美雪の韓国語読み)、夢子が「モンジャ」、元輝が「ウォンフィ」などと韓国語読みされた名前になっている者もいる。アニメではたびたび登場人物名を韓国風に改められることがあるが、マンガではそのような例はあまりない。


クッキングパパ(1-109巻 続巻)